アジャンター石窟(寺院)群は、インド共和国のデカン高原、マハラーシュートラ州北部に位置するワゴーラー川湾曲部を囲む断崖にあります。そこを、断続的にくり抜き築かれた大小30からなる石窟で、550メートルに渡って構成された古代の仏教石窟寺院群のことを言います。
前期と後期に分かれて築かれた大小30の石窟寺院は、インド仏教の誕生から衰退までを物語っています。前期の石窟は簡素なものです。ストゥーパという仏塔が石窟内に祀られていて、まだ仏像は存在しなかった当時は、ストゥーパを仏陀そのものとして礼拝していました。
後期になると、仏像で石窟内を埋め尽くされるようになりました。やはり後期の石窟に、アジャンター石窟寺院の美術的価値は集中していると言えるでしょう。涅槃仏像や様々な菩薩像が彫られ、入口柱や天井にはミトゥナ像や飛天、蓮華や鳥獣の画像が描かれています。またジャータカ(本生譚)などの説話図が、これらの代表的なヴィハーラ窟の壁面に描かれています。
